Ⅰ-2 攻略数字の種類と役割
〔1〕攻略数字とペンシルマーク
問題の難易度が上がるに従って、攻略に役立つ攻略数字を抽出し、マスの中に小さくメモっておく事が、ナンプレ攻略を円滑に進めるコツとして重要になってきます。
小さな数字のメモは、一般に「ペンシルマーク」と呼ばれ、「Pマーク」と略します。
南碁空の経験上、抽出すべき主要な攻略数字は以下の3種類です。
①2択・3択の候補数字 : ブロック内で、2マス、又は、3マスに1つの数字
②2国同盟 : 2つのマスに、2つの数字
③2値マス : 1つのマスに、2つの数字 (bivalue)
但し、あまり沢山の情報をマス内に書くと、盤面が見難くなるため、必要最小限に絞り込む事と、記入する位置にも配慮が必要です。
南碁空は、1つのマスを仮想的に3つに区切り、中心に大きく確定数字を置き、その左側と右下に小さくPマークを書くようにしています。
マスに小さなPマークを見易く書くのは、意外と書きにくいのですが、シヤープペンシルと芯を0.3mmに変える事でずいぶんと楽になりました。芯の濃さはB又は2Bがお勧めです。
〔2〕候補数字の抽出と活用方法
ブロック内で、ある着目数字の入る可能性の有るマスが、2マス又は3連マスに限定されるときに2択・3択の候補数字が抽出され、次のような活用方法があります。
①縦または横に2連又は3連となる場合は、連なった方向に1つの数字として使える
2連又は3連マスのどこかに着目数字が入るため、グループ化して1つと考えます
②2択の候補数字では、どちらかの可能性が消えれば、もう一方を確定できる
◆候補数字の抽出と活用例
中上ブロックで5は、F1・2に限定されます。
2連の為、縦方向に1つの数字として使えます。
中央ブロックで5は、D6・F5に限定され、斜め2択の候補数字となります。
左下ブロックで5は、A8・B8・C8に限定されます。
3連の為、横方向に1つの数字として使えます。
〔↓下図へ続く〕
F1・2は、どちらかに5が入るため、F列の他のマスには、5を入れる事が出来ません。
このため、中央ブロックのF5から5を消去できます。そしてもう一方の★=5が確定します。
左下ブロックの3連の候補数字も、8行目の他のマスに、5を入れる事ができず、他の既存数字と合わせて☆=5が確定します。
◆複数のPマークの記入例
中央ブロックは、2択・3択の候補数字を、ブロック内に複数検出した場合のPマークの記入例です。
候補数字を抽出する毎に、左側の上から順に小さくPマークを記入します。7・8のようの横方向の候補数字は、水平に書くと見やすくなります。
〔3〕2国同盟の抽出と活用方法
2マスに2つの数字のみが入る可能性があるとき、この2つのマスは2つの数字で占拠された状態となり、他の数字は入れることができません。
2択の候補数字が、2つのマスに重なって検出された場合に抽出されます。
◆2国同盟の抽出と活用例
中央ブロックで、1と9の縦横チェックをすると、1は○△のどちらか、9も○△のどちらかにしか入らないことが判ります。
2マスに2つの数字のみが入る状態を「2国同盟」と言い、他の数字を入れる事ができません。
〔↓下図へ続く〕
抽出された2国同盟は、見てすぐに判るようにPマークを「19」と、マスの右下に小さく書いておきます。
D4・F6が19で占拠されたのを利用すると、中央ブロックで、★=5が確定します。
この「2国同盟」の考え方は、定員確定とも呼ばれ、ナンプレ解法の基本中の基本手筋として、利用頻度の高い技となっています。
上記例ではブロック内の2国同盟でしたが、ブロック間での2国同盟、さらには、3・4・5国同盟の解法にも拡張していく事が出来ます。
〔4〕2値マスの抽出と活用方法
1つのマスに着目して、そのマスに入る可能性のある数字が2つ(2値:bivalue)に限定されるとき、、そのマスを「2値マス」と言います。
◆2値マスの抽出と活用例
中央ブロックのE5のマスは、上下左右、同じブロックに1~7迄の数字があるため、残りの8,9のどちらかが入ります。
抽出された2値マスは、見てすぐに判るようにPマークを「89」と、マスの右下に小さく書いておきます。
中下ブロックでE8・9が、8の候補数字と判ることで、G5のマスから8が消去され、★=9が確定します。
この2値マスは、ブロック間の2国同盟、XY-Wing 系のテクニック等に広く活用できるため、「交点戦法」等で丹念に抽出しておく必要があります。